2010年2月22日月曜日

Szene 74 by Electric Light Orchestra

オリジナル曲は3曲だけなのだが

 最近購入したブートレッグDVDに収められていた1974年のテレビコンサート映像、あるいはこれに由来するオーディオです。Szeneというのはよく知らないのですが、ウィーンにある劇場の名前なんでしょうか。基本的にThe Night The Light Went On(以下ロングビーチ)とよく似たセットなのですが、テレビライブという言葉の印象とは裏腹に、当時のステージをそのまま再現したような映像になっています。

 実はオーディオトラックはanythingshouldhappenからダウンロード済みで、まずそっちを聴きました。その後でブートDVDを購入したので、追っかけで映像を見て、都合2回鑑賞したことになります。映像もオーディオも内容は同じなので、映像について以下感想を書いていきます。

 まず番組のタイトル画面が表示され、そして1曲目のDaybreakerが始まります。メンバーの立ち位置は一貫して大きな変化はなく、フロントは左からチェロのふたり(この時期はMike EdwardsとHigh MacDowell)、バイオリン(Mik Kaminski)、Jeff Lynne、ベース(Michael De Albuquerque)、Richard Tandyで、バックにBev Bevanというポジションが基本です。ただ、ストリングスの3人はJeffのあたりまでは結構動いてきます。
 Daybreakerはインストルメンタルということもあって、Jeffはあまり目立ちません。むしろ主役になるのはストリングス隊とRichardです(Richardはちょっとミスタッチも映ってしまってましたが)。これが終わってから一旦メンバーへのインタビューが挿入されます。Michaelから始まって、順々にメンバーのプロフィールと楽器が紹介されていきますが、なぜかここにサウンドエンジニアのRick Pannellが混じっています(後でも出てきますが、Rickはテレビ出演などの時にチェロのマイムをしたりしています。このコンサートでもマイムをやってるんだろうかと思いましたが、ライブ本編への登場はありませんでした)。
 そこから再びコンサート映像に戻って、下記トラックリストの通りに進行します。構成はロングビーチライブと類似していますし、クォリティはロングビーチの方が上かも知れませんが、やはり映像が見られるぶん迫力が違いますし、これまで動いている姿がなかなか見ることができなかったMikeやMichaelの映像は貴重です。Michaelはあんな声で歌っていたんですね。Sundanceでコーラス重視のアルバムを作っていたので、もっとソフトな声かと思いきや、正直濁声ですね。彼がコーラス部分では下を歌うので、Jeffは上を歌うことになり、ヴァースとコーラスでの切り替えも大変だったように見えます。
 ストリングス隊はケーブルで音をピックアップしているようですが、絡まらないのかと心配になるくらい動きまわります。Hughが最もオーバーアクトなのは予想ができたことですが、MikeもRoll Over Beethovenとかではかなり動いています。わけても初めて見た映像として、彼がJeffの股間から弓を入れて、ギターを弓で弾くシーン。この大技を決めたバンドは歴史上にも何組もいないのでは? また、Mikのバイオリンはこの時期にはまだ青くはなかったんですね。

 よく見るとJeffが書いた曲はDaybreaker、Showdown、Ma-Ma-Ma Belleと3曲しかありませんが、当時のステージの雰囲気は伝わってくるような映像でした。初期ELOにアフィニティがある人なら一見の価値ありでしょう。ただ惜しむらくは、ほとんどオーディエンスを入れずに収録していることです。バンドは熱演しているのですが、曲が終わったときに全く盛り上がりません。拍手の数は数えられるくらいで、メンバーが拍手しているところなんかでは、聴衆よりもメンバーの拍手のほうがよく聞こえます。放送用のライブで観客を入れるのも善し悪しでしょうが、このステージに限っては入れて欲しかったような気がしました。

Daybreaker
Interview
Showdown
Daytripper
Mik's Solo / Orange Blossom Special
Ma-Ma-Ma Belle
In The Hall Of The Mountain King
Great Balls Of Fire
Roll Over Beethoven

 なお、映像そのものはanythingshouldhappenでもアップロードされていました(現在アクセスできないだろう点は既述の通り)が、ブートDVDでも購入してしまっていました。そちらにはおまけ映像が何曲かついていて、Livin' ThingやTwilightのプロモはどっちでもいいといえばそうなんですが、Roll Over BeethovenやShowdownのテレビ映像はじっくり見たことがないものでした。Showdownはマイム(Rick Pannellが出演しています)で、Roll Over Beethovenはライブ。ストリングスはWilf Gibson、Mike Edwards、Colin Walker。やはりMikeの股ギターが見られます。

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