今年になってから一度レビューを書いたことのあるアルバムですが、今回はRenaissance Recordsから正規の再発がなされたのでご紹介しておきます。なお、背景などについては以前のレビューを参照して頂くとして、今回のリイシューの注目点に絞った感想を書いています。
2001年、Kellyが息子のKitと共にリマスターして独自リリースしたCDは、なかなか両手を挙げて喜べない製品でした。というのも、リマスターと言いながらも音にはノイズが乗っており、イコライズをかけてあるもののそのせいで高音が歪んでしまい(特に最初の3曲で)、せっかくのAm I A Dreamerが、Dear Mamaがどうにも辛い音質になってしまっていたのです。
今回、Showdownに報じられた内容では、Renaissanceはリストメンバーのひとりが関与しているレーベルで、US用のマスターテープ供与を受けたとのことでした。Kelly自身が保有していたテープに起因する問題なら、別のマスターテープを使えば改善されているかも知れない---それが私の希望だったのです。
結論。マスターは同じテープを使用しているように思えます。このノイズの乗り方からすれば、よほどテープが痛んでいたのか、曲によっては全編テープヒスが聞こえてしまいます。そして、2001年リリースではボーカル音量を上げているようなのですが、2009年リリースではボリュームをいじっていないようです。そういうわけで、音質的には2001年も2009年もどっちもどっちであり、ボーカルの聞きやすさという点では2001年の方に軍配を上げるべきかも知れません。うーん、このような感想を書くのは極めて残念なのですが、今回のリリースもこのアルバムの魅力を伝えるには力及ばずでしかないでしょう。前にも書いた覚えがありますが、ベストアベイラブルのアナログから起こした方がまだしもよいのではないかとさえ思います。
曲順としては、2001年リリースはRCA盤に準拠して配列されていましたが、今回はRIVA盤の通りに曲を並べた上で、差し替えられた曲を本来の位置の次に戻した形になっています。わかりにくいですね。下の曲順をご参照下さい。
- Am I A Dreamer
- Oh, Little Darlin’
- Dear Mama
- You Don’t Need To Hold Me Tight
- Black Hearted Woman
- Midnight Train
- Don’t Wanna Hear That Song Again
- Anything Goes With Me
- Can’t Stand The Morning
- Old Rock & Roller
- You’ve Been Telling Lies
- Sea Of Dreams
- I’ll Cry For You Tonight
- Am I A Dreamer (New Version)
- Am I A Dreamer
- Oh, Little Darlin’
- Dear Mama
- Black Hearted Woman
- Midnight Train
- Can’t Stand The Morning
- Anything Goes With Me
- Old Rock’n’ Roller
- Don’t Wanna Hear That Song
- You’ve Been Telling Lies
- You Don’t Need To Hold Me Tight
- Sea Of Dreams
- I’ll Cry For You Tonight
- Am I A Dreamer (Player Version)
一方パッケージングについては、これまたRIVA盤準拠ですからジャケット写真は髯を落としたKellyが椅子に座っているものです。ブックレットは表紙込みで8ページ。中央の2ページはKellyの写真が多数ありますが、見覚えのあるものばかり。2ページはRIVA盤のインナースリーブを復元した形で歌詞が記されています(このため、ボーナストラックの歌詞は記載されていません)。ブックレットの最後のページにはKellyのバイオが書かれており、彼がSecret Messagesでプレイしたのは4曲であるとも明記されています。
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