2009年5月16日土曜日

ICON 3 by Wetton Downes

 今年発売されたJohn WettonとGeoff Downesによるプロジェクトの通算3枚目(ライブDVDも出ていた筈ですが)のアルバムです。オリジナルメンバーによるAsiaがアルバムも出したので、再結成の母体ともいうべきこのプロジェクトは役目を果たしたかと思っていたのですが、今回新たに作品が出てきました。
 御承知の方も多いでしょうが、どうしてこのアルバムがELO関連かというと、Hugh MacDowellがチェロを弾いているからです。

 HughはすっかりAsiaファミリーの一員になったようで、最初はJohn WettonのソロアルバムRock Of Faithに登場し、その後ICONプロジェクトに加え、Asia名義のPhoenixにも参加しています。ELO在籍中は、どちらかといえばツアーメンバーとしての活躍がメインで、Face The Music以降は演奏そのものがレコードに残ることもあまりなかったと言われていますが、ICONにおいてはソロないしそれに近いスタイルの演奏も随所に聴くことができます。
 ただ、なんだか正式メンバーに近いクレジットがなされているにも関わらず写真がなかったり、オビに名前がなかったり、どうも継子みたいに感じてしまうのは私の僻み?

 先にHughのことを書いてしまいましたが、アルバム本体について。以前ICON(ファーストアルバム)の感想を書いた時、WettonとDownesが揃ったら、Asiaサウンドの核はできあがってしまうんだなあとかいうことを思いました。しかし今回、PhoenixとICON 3を聴いてみると(決してAsiaのファンではない私には、「聴き比べてみると」などと大それたことは言えない)、そのふたつの間には自ずから相違が見えてきました。このふたりのプロジェクトであれば、どうしてもリスナーはAsiaを期待してしまうでしょうし、Phoenix以前のICONではそれに応えなければならないという側面もあったでしょう。しかし今回はそういったしがらみから解放されたためか、「壮大でドラマチックなロック」にこだわらない曲もたくさんみられました。AORですか、という曲もあるし、女性ボーカリストとのデュエットもあります。

 今回は、ボーナストラック目当てで日本盤、さらにどうせならということでSHM-CDを買いました。ですが、ボーナストラックを聴く限り、明らかにHughがチェロを弾いていますという部分はなかったようです。

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