2010年6月14日月曜日

Chaos Theory(カオス・セオリー)

話の転がし方はなかなか面白い

 2007年のアメリカ映画で、主演はライアン・レイノルズとエミリー・モーティマー。花嫁が短期間他の男性と付き合っていたことを気に病む新郎に対し、新婦の父親が自分の波乱万丈の体験談を物語るというお話。
 なお、この映画はELO関連作品です。

 ストーリーです。ジェシーの結婚式当日。新郎はジェシーと喧嘩していた2週間、彼女が別の男性と付き合っていたことをくよくよ気にしています。それを知ったジェシーの父親フランク(レイノルズ)は、自らの経験を無理やり新郎に物語ります。フランクはもともと仕事の高率を高める方法を提唱し、著作や講演で食べていました。妻スーザン(モーティマー)、や娘のジェシーにも恵まれ、幸せな毎日でしたが、スーザンの他愛ないいたずらで、いつも決めていた時間に家を出ることができませんでした。そのほんの数分の違いが運命をわけ、フェリーに遅れるわ、講演会にも遅れるわ、ホテルで女性に強引に迫られ、やっと逃げ出したはずが帰宅途中で破水した妊婦に出くわします。彼女を病院まで送り届けて自宅に帰ると、フランクを父親だと誤解した病院が既に電話をかけていた後で、スーザンはフランクの隠し子だと大激怒します。理由を聞いてくれないスーザンに対し、フランクは親子でないことを証明するための染色体検査を依頼するのですが・・・

 自らのスケジュールをきっちり管理することで成功する、という理論の持ち主が、スケジュールを狂わされたことでドミノ式に不運に見舞われるというのは、ありきたりとはいってもお話としては上手に作ってあります。ただ、妊婦の父親はフランクでは「あり得ない」という検査結果とその根拠が語られるに及び、展開は一転重くなってしまいます。まあ、ああいう形で終わらせるしかなかったのでしょうが、ちょっと解決方法に芸がなかったような気がします。
 なお細かいことですが、現在20歳くらいに成長したジェシーが7歳の時のお話なので、当時の講演会で使われていたのは35mmスライドだと思います。だから、PCでプレゼンテーションしているように見えたのはちょっと変ですね(場合によると、ブルースライドしかなかったかも知れない)。それと、クラインフェルターは体毛が薄くなるのが特徴らしく、彼がアゴヒゲをたくわえているのはおかしいのかも知れません(もちろん例外はあるでしょう)。冒頭でジェシーと一緒にいた女性が彼女の妹で、彼が男性不妊というのは間違いなのか、というオチも予想したのですが。それから、新郎に示した2枚のカードの仕掛けは当たり前すぎ(どうせならYAWARA!で伊東富士子を代理選手に選ばせたくらいの工夫が欲しかった)。
 主役はレイノルズですが、この俳優、登場する映画によってかなり雰囲気が違いますね。正直、この映画、「ラブ・ダイアリーズ」、「あなたは私の婿になる」、同じ俳優だとは気付きませんでした。
 評価はELO関連を含めて☆☆☆*。

 そして、この映画で使われていたのはLivin' Thing。フランクがハーレーで走るシーンのBGMで、イントロからファーストコーラスまでが流れます。私が聴いた限りではアルバムバージョンとの違いはわからず、エンドクレジットでもパフォーマーはELOとされています。ELO Discovery(映画の該当部分を見ることもできます)でも再録音バージョンとは判断していないようです。

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