2011年11月20日日曜日

Out Of This World by Bubble Gum Orchestra

ハードルを高くしすぎたようだ



 10月に発売になったんだったと思います。ジャケットを見ていただいておわかりの通り、明らかにELOを意識したアルバムで、実際にサウンドもそれに応じたものとなっています。


 オフィシャルサイトはこちらで、ショップへのリンクもここにあります。私はCD Babyで買いました。http://bubblegumorchestra.com/fr_thenewsishere.cfm



 まずアートワークから紹介すると、Out Of The Blueのパロディになっています---というか、Out Of The BlueがもともとOut Of The Worldと題されるはずだったことを考えると、ほとんどそのまんまですね。ただ、宇宙船のかわりにバイオリンが宇宙を飛んでいます。アルバムタイトルとアーティスト名もOOTBを意識しています。そして、このジャケットアートはスピンドルを経由して背面に続いており、ここにトラックリストが書かれています。これまたOOTBのデザインをそのまま真似しています。全部で17曲入りで、ご丁寧に4-5-4-4と分かれるように線が引いてあります。ここまでくると当たり前のように、10-14曲目はConcerto For A Bad Dayとしてまとめられています。CDレーベル面には3機編隊の宇宙船がふた組飛んでいるのが描かれています。このデザインはOOTBツアーのポスターから引用されたものです。


 このプロジェクトはBGO名義となっていますが、実際にはMichael Laine Hlidebrandtという人物のソロのようで、全ての楽器が彼にクレジットされています。ひとりしかいないから仕方ないのかも知れませんが、OOTBのポスターのような顔写真がトレイ底にあしらわれています。



 全曲の歌詞が掲載されていて、1曲目は「そこまで狙わんでも」というくらい。こんなのです。"She's the nightrider of our down home town. She's no evil woman tho' we like to poker. Her music is reversible but we are not"。それから、Goodbye My Old Friendとかいう曲もあります。



 というわけで、いきおい内容が気になるんですが、ちょっとここで私のトーンは低くなるんですね。いや、いいポップアルバムなんですよ。でも、ひとりで、テーマを決めて、17曲をこなすというのがちょっと無理があるようで、いい曲もあるんだけれど息切れが感じられるんですね。さらに、ポップというくくりでなら結構バラエティもあるとは言え、ロッカーやバラードが少ないのも、聴いていて疲れてくるところがあります。頑張ってやっているのはわかるにせよ、OOTBの頃のJeff Lynneが作っていたビッグサウンドを再現することがいかに困難なのかということが改めてわかったように思います。また、ELOではKelly Groucuttといういいサブボーカリストがいたとは言え、多重録音であれだけのコーラス・ハーモニーを作り上げていたのを、ひとりのオーバーダブでミミックしようというのがいかに大変かというのも窺い知れます。



 なんだかけなしてしまったみたいで、大変心苦しいのですが、努力は大したものだと思うんです。ELOへのオマージュだと思わずに聴いたら、「ELOみたいだ」と大騒ぎしていたかも知れません。ですが、ここまでまわりから盛り上げられてしまうと、必要以上に期待してしまったんですね。


 うーん、ELOファンで、同じ方向性の音楽が好きな人なら、一聴の価値はあると思うんですけどね。

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