2011年6月26日日曜日

The Invention Of Lying(ウソから始まる恋と仕事の成功術)

予想と違う展開に

 2009年のアメリカ映画で、主演はリッキー・ジャーヴェイスとジェニファー・ガーナー。タイトルを直訳すれば「嘘の発明」となる如く、嘘の存在しない世界で、史上初めて嘘をついた男の物語。
 なお、この映画はELO関連作品です。

 ストーリーです。舞台は、嘘という概念が存在せず、全ての人々が信実しか口にしない世界。映画脚本家のマーク(ジャーヴェイス)は、彼の書いた映画が全く受けず、解雇されそうになっています。女性とデートしても、太っているだの鼻がブタのようだの散々な言われようです。ところが、なけなしの預金を引き下ろす際、突然ひらめいて実際の残高よりも多くの金額を申告します。この世界は誰もが真実しか言いませんので、銀行員はそれを信じてあっさりと現金を渡してくれたのです。「嘘」という概念は他の誰もが持ち得ませんので、要所で嘘をつくことで彼の望みは次々とかなっていきます。そして、高嶺の花と思えた女性とも再デートにこぎつけるのですが、高齢の母親が急変し、死の淵にあることを知らされます。死の恐怖に怯える母に対し、彼は死後の世界があり、そこではすべての人々が幸せに暮らしているのだと告げます。母親は安心して死んでいくのですが、これを聞いていた人々がその革新的な説明に驚き・・・

 嘘がないので、お世辞も方便もありません。そこでひとりだけ嘘をつければ、上手に立ちまわることができるだろうというのは容易に予想できます。ただ、この映画はそれだけにとどまりません。指摘されるともっともなのですが、嘘がないというのは作り話が存在しない、つまり小説や演劇・劇映画などが全くないわけです。つまり、マークが作っている映画というのは、歴史上の事実をそのまま語っているだけのもののようなのです。
 マークは、多額の金を手にするのみならず、世界初のフィクション映画を創り上げて大ヒットと順風満帆になり、彼をふった女性に再アタックします。普通の映画だったら、女性を上手にほめることによって彼女を口説き落とすけれど、彼が嘘をついていることに気付いた女性がそれで傷つくとか、彼の大成功をねたんだ同僚が嘘をつくことを覚えてマークを脅かすとか、そういう展開になりそうに思えます。ところが、意外なことにこの映画はそれとは違った方向に進みます。すなわち、この世界では「架空」という概念がないため、宗教も存在しないのです。さらに、彼が宗教めいた発言をした場合、人々はそれを微塵も疑わずに信じこむのです。
 ただ、これはかなり際どいところに踏み込みながら、結局はごまかしてしまったような感じで話は進みます。そういった点で、最終的にはオチはついているものの、なんだか騙されてしまったような終わり方でした。☆☆☆*。

 なお、劇中のかなりアップリフティングな部分でMr. Blue Skyがかかります。Jeff Lynneによる再録バージョンで、3分以上プレイされていたように感じました。するとサントラは、と興味が出てくるのですが、どうやらCDとしては発売されていないらしく、またMP3で売られているものについてもカバーバージョンが使われていました。というわけで、再録のMr. Blue Skyは今のところCDになっていないわけですね。来月にはSuper 8が発売されるようですけれど、現時点では曲目は発表されていませんね。

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